麻生太郎氏と古賀誠氏が、
蔵内謙氏の応援にそろった選挙
県連の推薦、無所属での出馬、そして開票結果。3つを分けて読むと、当時の接点が見えてきます。
蔵内勇夫(くらうち・いさお)氏と麻生太郎氏の接点が大きく報じられたのが、2016年10月の衆院福岡6区補欠選挙です。勇夫氏の長男・蔵内謙(くらうち・けん)氏が無所属で立候補し、当時の副総理・財務相だった麻生氏が陣営の選対本部長を務めました。自民党元幹事長の古賀誠氏も、麻生氏とともに街頭で謙氏を応援しています。
謙氏は22,253票を得ましたが、当選したのは同じく無所属で出馬した鳩山二郎氏でした。2026年11月5日に勇夫氏が辞職後初の会見を開いたことで、その経歴に関心を持った人向けに、10年前に何があったのかをたどります。
鳩山二郎氏が当選
なぜ2016年の福岡6区補選は「保守分裂」と呼ばれた?
この補選は、福岡6区選出の衆院議員だった鳩山邦夫氏の死去に伴うもので、10月11日告示、23日投開票。前大川市長で邦夫氏の次男の鳩山二郎氏と、参議院議員秘書だった蔵内謙氏が、それぞれ無所属で立候補しました。
当時の取材によると、自民党福岡県連は蔵内謙氏を推薦しましたが、党本部の公認候補として一本化されないまま選挙戦に入りました。保守系の候補が2人並び、支援の動きも分かれたことが「保守分裂」と呼ばれた理由です。投開票後、自民党は当選した鳩山二郎氏を追加公認しました。
息子・蔵内謙氏を麻生太郎氏と古賀誠氏がどう応援した?
選挙時の県の資料で、謙氏の職業は参議院議員秘書。当時の取材記事では、林芳正氏の秘書を務めた経歴が紹介されています。この補選で国政に初挑戦した35歳の新人でした。
麻生氏は選対本部長を務め、投開票後の取材でも、県連の手続きで推薦された謙氏を応援したという趣旨の説明をしています。古賀氏も街頭遊説に参加し、福岡政界で別々の動きを取ることもあった自民党の重鎮2人が同じ候補を応援したことが、当時の注目点でした。
2016年の補選に立候補したのは謙氏です。父の勇夫氏は当時、福岡県議として活動していました。県連推薦と両氏の応援は、謙氏の選挙をめぐる出来事です。

福岡6区補選の開票結果。鳩山二郎氏が当選
開票では鳩山二郎氏が106,531票で当選。謙氏は22,253票で、4人の候補のうち3番目の得票でした。県連から推薦を受け、麻生氏らが応援したことと、有権者の投票で誰が当選したかは、この選挙を理解するうえでそれぞれ大切な事実です。
| 候補者 | 立候補時の党派 | 得票 |
|---|---|---|
| 鳩山 二郎(当選) | 無所属 | 106,531票 |
| 新井 富美子 | 民進党 | 40,020票 |
| 藏内 謙 | 無所属 | 22,253票 |
| 西原 忠弘 | 幸福実現党 | 2,359票 |
蔵内勇夫と麻生太郎の関係は?2011年と2016年で異なった動き
2人の公の接点をさかのぼると、2011年の福岡県知事選にも行き着きます。テレビ西日本の取材では、県連推薦の内定を得ていた勇夫氏に対し、麻生氏らは官僚出身の小川洋氏を推し、勇夫氏は出馬を断念したとされています。その5年後、麻生氏は衆院補選で勇夫氏の長男を支援しました。
県知事選では異なる候補をめぐって動き、衆院補選では謙氏の陣営を麻生氏が支えた。選挙ごとに並べると、当時の関係を「近い」「対立」と一言で括りにくいことが分かります。今回の会見で勇夫氏が説明したのは、主に県議辞職の経緯や県議会をめぐる指摘への自身の見解です。

